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もっちーのせかい

関西電力役員の金品受領問題

会社の人が、他の会社の人からお金(経済的便益)を受けることは、何が問題か?

この問いにきっちり答えられる人は少ない。
今回のニュースやネットの言説を見ていても、電力会社・原発に対する不信感や、
権力者・金持ちに対するやっかみといった感情論しか感じない。
本当に日本人は本質を考えない民族だ。

会社法967条では、取締役等の贈収賄罪を規定し、取締役等が職務に関して、
不正の請託を受けて収賄すること等に対して懲役・罰金を定めている。
また、刑法では、197条と198条で、公務員の贈収賄に対して懲役・罰金を定めている。

公務員のほうが刑が重い。
また、公務員は全員だが、会社の一般従業員は対象になっていない。
これは何を意味するのか。

公務員の収賄を禁じるのは、公務員は全体の奉仕者であって、
特定の主体の利益になる行動は許されないからだろう。
接待であっても、金の最中であっても、タダで便益を受けると、
感情的にも立場的にも、どうしても贈賄の相手を利する傾向になってしまうのだ。
それで良いことはないのだ。双方にとって。社会にとって。

では、会社の取引はそれと同じか。違うのか。
同じではないだろう。
会社、株式会社は、別に全体の奉仕者ではない。
この点で明らかに公務員とは異なる。
また、サービスや価格が同じ場合、業者を決定する要素として、
接待や贈り物をする相手は、情熱や財力という点で勝るから選択するということが、
必ずしも否定されない。
否定されるのは、業者が取引の意思決定者個人に対して便益を提供して、
個人は潤うが、当該業者のサービスが粗悪だったり、価格が高かったりして、
会社に損害を与えることになる場合である。
よって、会社法967条の本質はそこにあるが、960条の特別背任罪にあたる場合もあるし、
423条で会社に対する損害賠償責任を負うことも考えられる。

いずれにせよ、会社幹部の不正により損をするのは会社の株主をはじめとする関係者なので、
新聞をみて全然関係ない一般人が憤るのは、全然合理性はない。

しかし世の中には、特に日本社会には、金品等の便益の提供で仕事をとることが、
とても多いのが現実だ。
接待や小判はもちろん、MRや生保レディがオンナを使って枕営業したり、
ゴルフや芸で相手を気持ちよくさせたり、とにかく何度も足をつかって訪問したり、
無駄に分厚い分析資料や提案資料を情熱の証として提出したり。。
これらの共通点は、どれも、仕事(商品やサービス)の中身で勝負していないということだ。
なぜ内容で勝負しないのか。
内容に差がつかないのか。そうじゃないことのほうが評価されるのか。
どっちもあるが、特に日本は後者が強いと思う。
それでいいんだろうか。
そういう勝負に金や時間を使って、肝心の中身がおろそかになる。
だから海外企業に負けるんじゃないのか。
だから贈収賄が禁止されるのかもしれない。
人々はなぜそういった空虚な商習慣には憤らないのか。
日々の仕事がむなしい原因はそこにあるんじゃないのか。

男がセックスするために女に飯をおごったり、プレゼントすることは、
古今東西みられる行為だが、それで事を成し遂げられたとして、
幸せになった人の例を私はあまりしらない。
結局、男として、人間としての魅力で、相手とつきあって、
好きになってもらうのがまっとうなのであって、
金品で相手を釣ろうとすると、良いことはないのだ。
双方にとって、社会にとって。

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