新型コロナによる景気後退を防ごうと、世界的に、
利下げ、企業に対する緊急融資、個人への現金給付、減税や社会保険料の減免等が話に出ている。
金融政策としての利下げはいつも出てくる話だ。
日本はすでにマイナス金利だから、これ以上マイナス幅を下げるのか、効果あるのか、
というフェーズ。そもそも金利下げても金を使うかどうかはわからない。
馬を水辺に連れて行っても、水を飲むかどうかは馬次第ということ。
当局による「安心してください」というメッセージ以上の効果はないように感じる。
まあそれはいつもの話でそれでいいとして、
個人に対して1万円だ10万円だの現金を給付しようという話は、愚の骨頂だ。
今回は、パンデミックを防ぐために、人間の移動、経済活動を抑えましょうという話だ。
つまり売上やGDPはマクロで見れば絶対に下がる。だって下げましょうという目的なんだもの。
「家でじっとしてろ」と言いながら金をばらまいて、「使え」というのは矛盾している。
アクセルとブレーキを同時に踏めと言っている。あほ過ぎる。無理だ。
せいぜい通販の売上がちょっと伸びるぐらいだろう。本質的解決にはならない。
問題は、エンタメや観光、航空など、特定の業界が大きなダメージを受けること、
全体的に体力のない会社(中小企業)が資金繰りに支障をきたすこと。
それによって、倒産が増えることで失業が増えること。
ここでしょうが。
もっと言えば、本質的には、だからといってそういう会社を全部救済する必要もない。
弱い会社が淘汰されたら、強い会社にM&Aされたり、シェアが集まったりして、
より効率的な社会になるだけかもしれない。過度な独占は公取に排除されるだろうけど。
また、強い会社や他のアフターコロナの産業に人が雇用されれば、別に失業の問題もない。
そもそも、失業保険ってそういうときのものなんだから、そこから数か月給付を受けて、
職探しをすればいいだけだ。
一時的に厳しい会社に、つなぎ的に融資するのはいいと思う。非常事態だし。
でも、今後息を吹き返す見込みのない会社に資金提供するのは、金をどぶに捨てるだけだ。
回収の見込みがない会社に社会の余剰資金を投下することは、古いものを温存し、
必要な新分野への資金提供を遠ざけることとなる。それでいいのか。
まあ現実的にはこの点は選別にコストがかかるうえに一般的な理解が難しいから、
政府としては一律の支援となってしまうのであろうけど。
けど、まさに個々の融資主体(金融機関)の本来業務なんだから、選別してくれる気もする。
あと、お金に色はないんだから、企業に対する支援は、融資一本でいいと思う。
いちいち減税やら社会保険料の減免やらをやっていたら、制度が複雑化してコストが膨らむ。
まあ、マクロ的にはそうであっても、個々にあれもこれもやれってなるのが
民主主義政治というか、縦割り行政なんだけどね。
バカバカしい。
ああ、人間社会って、まだまだほんとうに低レベルだよ。。