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もっちーのせかい

デルフォイの神託 占いと統治について

古代ギリシャでは、神託でものごとを決めていた。
戦争の戦略から個人の結婚や病気等の問題まで色々なことを。
有名なのはデルフォイ。
神殿があって、巫女がいて、トランスした巫女が曖昧なことを言って
それを聞いた人が自分なりの解釈をして判断していた模様。
デルフォイの神殿のあたりには断層があって、
どうやらそこからガスが噴出していたようです。
それを吸い込んだ巫女は、ちょっとフツウじゃない状態で、
ガスのせいだなんて知らないギリシャの人々は、
神が乗り移ったと思ったのかも知れません。
とにかくカリスマ性をもつに至った巫女は、
伺いを立てられた事に対して、
どうとでもとれる曖昧な事をゴニョゴニョと言います。
神託として。聞いた方は、自分なりに都合よく解釈して、
事にあたる。元々自分が心の底ではそうだと思っていたことを、
神託の解釈で背中を押してもらって、勢いを持って事にあたるのだから、
うまくいくことが多かったのでしょう。少なくとも本人の気持ちはスッキリする。
それで、適当に曖昧なことを言ってるだけなんだけど、
巫女の、神託のカリスマ性が増していく。
そういうカラクリだったのではないでしょうか。

占いが統治に使われた例は、古代では世界中にあります。
亀の甲羅や鹿の骨を火であぶって、ヒビ割れ方で事を占うとか、
日本では盟神探湯(くかたち)と言って、被疑者に熱湯に手を入れさせて、
やけどしたら有罪、しなかったら無罪という、
今考えるととんでもねえ裁判が行われていたそうです。
この盟神探湯のカラクリは、その統治者、呪術者、判事の
カリスマ性や、神は有罪か無罪かの真実を知っている、といった
前提条件を信じているものであれば、熱湯に手を入れるのが恐くて逃げ出し、
それで有罪が確定するという、そういう効果があったのでしょう。
躊躇なく手を熱湯に入れようとする者は直前で制止して無罪にするとか。

また、古代エジプトでは、ファラオだか神官だかが、
豊作か凶作かを占って、けっこう当たってたとか聞いたことがありますが、
このカラクリは、ナイル川の氾濫の後には川上からの養分が土壌を肥やし、
翌期の収穫量が増えるということに気づいた人々が、
ナイル川の氾濫そのものか、もしくはその前兆を察して、
人々に告げ、社会に有用な情報を与えるとともに、
神格化されていったのではないでしょうか。
すごいですよ、ファラオは神ですからね。
神託とか預言者ではない。神そのもの。

いずれにせよ、人間心理、もしくは自然の法則について、
他の多くの人に先んじてあることに気づいた人がそれを
利用し、神格化され、統治に用いていたと言えるでしょう。
やっぱり考える人が支配者になるのですね。

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