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もっちーのせかい

コーポレートガバナンスの本質

まだまだ勉強不足であることは大前提として、しかし逆に、
今のうちにコーポレートガバナンスに関する所感を記しておきたいと思います。

衆議院の法務委員会の会議録で、
2014年の会社法改正についての話の中で、
谷垣法務大臣のこんな発言がありました。

「やはり、日本の企業統治というのは改善の余地が非常にあるのではないかという
問題意識がずっとございまして、それは日本内外の投資家の日本企業に対する
不信感といいますか、もうひとつ信頼が足らないというところがあって、
それは、取締役、つまり会社の執行体制に対して、いろいろな観点からの意見が
入ってきて、そこでもまれるということが少ないんじゃないかという投資家の
見方があったと思います。」

というわけで、社外取締役を積極的に入れろとか、そういう話になってきている
わけですが、それはもちろんとてもいい方向だと思うのですが、
根本的な問題は、日本人のマジョリティの価値観というか、性質にあると思うのです。
それは、「上下関係」を重んじて、「上」には従順でいるという性質。
一人ひとり対等で独立・自立したみんなで、論理的に意見を交わして
組織を成長させようというよりは、なんだかカリスマ的な「上」がすべてを
なんとなく自分で密室で決めて、下々の者に黙々と命令した作業をやらせる。
「下」はそれで面倒なことは何も考えずに思考停止して作業するだけで
飯はまあ食える、そういう旧来の日本的社会そのものが、海外から信頼されていない、
そういうことだと思っています。

ちゃんと明文化したルール・法の下で、論理という明確なツールを用いるから、
いろんな国や組織が取引できるわけで、
「上の人」に誰も逆らわないということは、決定した意思の浸透や実行は迅速かもしれ
ませんが、「上の人」の暴走や間違いを止められないというリスクがあります。
これはまさに、日本企業が東南アジアの発展途上の国に投資できない大きな理由のひとつ
ではないでしょうか。為政者の気分・方針で、いつ何がどう変わるか全然わからない。
法令なんてあってないようなもので、なんとなく「上の人」の、何に基づいているのか
よくわからない判断で物事が決まっていく。政策が左右される。
それは、状況によってそういう判断がうまくいく場面も多いとは思うのですが、
成熟した業界・会社がそれでうまくいくことは、あまりないのではないかと思います。
むしろ東芝や、オリンパスや、大王製紙みたいなお粗末な失態を冒す危険が高いのでしょう。
そういうところが、日本企業がいまいち信頼されていないとすると、原因だと思うのです。

社外取締役の導入だとか、機関設計とか、そういう形ももちろん重要だと思います。
しかし、そういう日本人の、個々の従業員のメンタリティが自立した方向に変わって
行かない限り、本当の意味でこれから企業価値を高められる、健全なコーポレート
ガバナンスにはならないと思います。

これは現代の成熟・飽和した日本社会のあらゆる問題の根本だと思っています。
生き方を上から押し付けられる時代ではない。それぞれの価値観でそれぞれが
議論することが、それぞれの幸せな生き方につながり、企業の成長にもつながる。
そう思っています。


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