遺伝子を操作して親の望む子を人工的に作る、
という発想に、大変な嫌悪感を感じる。
そもそもそんなこと都合よく完璧にできないと思うので、
遺伝子万能主義や科学万能主義に呆れるが、
「勉強もできてスポーツもできて容姿端麗で優しくて病気にならなくて背が高い子が良い」
という発想が、安易で浅はかで恐ろしくてつまらなくて絶望的に感じる。
誰かの物差しを他人に押し付ける。
ある物差しが絶対だと考える。
そこが問題。
仮にデザイナーベイビーなどというものが実現できると考えてみると、
テストで点数がとれることや、足が速いことや、顔立ちが整ってることに、
価値を感じなくなる。人工的に作られた能力なんてつまらないし、嫌悪感を抱くし、
本人が本当に可哀想だ。
むしろ、出来損ないだが何にも手を加えていない、そのままの「ダメ人間」が、
急に愛おしく感じられてくる。
デザイナーベイビーは、それを改めて思わせる。
人間は、ありのままでいいのだ。
物差しは無限にあるし、当て方は変わるし、神様から見たら人間同士ほぼ違いなどない。
出来損ないを認めて、謙虚にありのまま生きるだけでいいのだ。