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もっちーのせかい

OBガバナンス

日本では古くから院政というものもあり、
組織のトップが「引退」した後も実権を握るというケースが多々ある。
現代では、会社の代表取締役が引退した後に、「相談役」「顧問」「名誉会長」
などの肩書で実権を握り続けるケースが多く、問題視され始めている。ようやく。

それらをOBガバナンスと呼ぶとすると、
OBガバナンスは不透明である。
報酬をもらってるのかどうか、どういう体系でいくらもらっているのか、
会社とどういう関係なのか、何の責任をとってくれるのか、開示は無いし
実態がよくわらかない謎の存在だ。

一般的には、1年更新の契約で、一定の報酬をもらっているコンサルタントみたいな
地位が多いのだろう。そして、政財界の各種団体に顔を出したり、
営業マンとして他社の同じような地位の人との関係を維持したり、
後輩である取締役(会)に口出ししたりという感じだろう。

この問題は、本当に、いかにも日本らしく、日本の本質的な問題をはらんでいる。

まず、「引退」したのに実権を持っているということは、
いかに日本の肩書が形式的かということを象徴している。
じゃあ本当のキーパーソンは誰なのか。何を信じればいいのか。
と、外人は思うだろう。企業の開示をみてもわからない。
それは、その村社会の中で日々酒を飲んでコミュニケーションしていないとわからないのだ。

そして、OBの人脈が重要ということは、
いかにコネに頼って仕事をしているかということだ。
商品やサービスの実質的な内容や技術力ではなく、人間関係で営業力が決まる。
そういう社会だということだ。だからソニーもパナソニックも東芝も没落している。

で、OBのアドバイスが本当に後輩社長にとって有難いものだとすれば、
いかに日本社会が変化の無い社会だったかということである。
これから先、変化の激しい時代が来るなら、そういう業界ほど、
OBの成功体験を語られても、鬱陶しいことが多いに違いない。

OBガバナンスをやめて、他社の社外取締役や、ベンチャーの経営に人材を
回した方がいい、という意見もある。
今よりはマシなのかもしれない。ボードへの不透明な関与が無くなるからだ。
ただ、コネ営業の問題や古い価値観を押し付ける問題は、
そのOBの人間性が変わらない限り、日本の村社会的価値観がある限り、
残る問題だと思う。

結局、すべては日本の閉鎖的な縦社会に原因があるというわけだ。
問題は、それが悪いことなのか、良いことなのか、という評価の仕方なのだ。
「日本には日本のやり方があるんだ!」論は、もちろんあると思う。
確かにそれでGDP世界2位にはなった。
でも、今後もそういう閉鎖的な社会で本当に良いのか?
それで楽しいのか?フェアなのか?

海外の人と絡んで、投資してもらって、ビジネスしたいなら、
「日本には日本のやり方がある」論で、不透明なガバナンスのままでいたら、無理だろう。
だってそのやり方は、村社会の中にいないとよくわからないんだもの。
中にいてもよくわからない、納得しない人だって増えてる。
海外と絡んでお金出してもらいたいなら、グローバルな基準で、
みんなにわかるように、つまりロジカルに、オープンにするしかない。
OBガバナンスの話で言えば、そんなものはキッパリ廃止するか、
きちんと制度として整えて開示しなければならない。
別に海外と関わらずに、これからも村社会で閉鎖的にやっていくんです、
という会社は別にいいんだと思う。OBガバナンスを不透明にやっていれば。
そういう話だと思う。



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