ふと気になりましたのでメモ程度に書いてみます。(すべて筆者の推測です。)
認知症説もある浅利慶太氏は、四季株式会社の社長を退任済みで、83歳。
現在の妻は野村玲子氏で、子どもはよくわからないけどいなさそう。
おそらく実質的に四季株式会社の株式の大半をお持ちなのでしょう。
四季株式会社の株式価値は、百億円以上の評価になるでしょうから、
個人で承継して相続税を払うことは困難でしょう。
よって売却(第三者もしくは上場)ということになるでしょう。
(とりあえずは妻が相続して税金は回避したとしてもいずれ。)
ここが問題です。
四季は上場しない方針でいるようです。
確かに、上場するということは、個人も法人も外人も、
誰でも四季の株主になり得て、色んな口出しをしてくる可能性があります。
特に、事実上日本の演劇を一手に担う使命として、
東京一極集中はしないとか、こころの劇場とか、大局的・長期的目線で
行っている諸施策が、短中期目線の投資家に批判される可能性はあるでしょう。
上場しないとすると、誰かが浅利氏の代わりにオーナーになるわけです。
具体的にはたぶん、電通だったり、JRだったり、東急だったり、日テレだったり、
そういった企業(単独or複数)が四季株式会社の株主になるわけですね。
投資ファンドが持つとか、そういうことはまあ、無いんでしょう。
そして個人的には、四季が電通の子会社とかなんとなく嫌だなあ、
四季には無色透明でいてほしいなあ、とか思ったりするわけです。
上場もイヤ、どこかの会社の子会社もイヤ、だと、他に道は、、、
無いですよねえ、四季株式会社という株式会社である以上。。
いや、株式会社でいる必要あるのか?という大事な観点。
ブロードウェイなんかは、株式会社が興行をしてるってことは、
ないんじゃないかしら。演目単位のプロジェクト単位でファイナンスして、
マネジメントしてるんじゃないかしら。
演劇の興行の仕方としては、そっちの方がふつう?
実際、重要なのは俳優(劇団)であり、ディズニー等のライセンスだとすると、
確かに現状ライセンスを受けているのは四季株式会社かもしれないが、
ライセンス元は何を信頼してライセンスアウトしているかと言ったら、
それはたぶん、正直言って、四季株式会社の管理能力の素晴らしさとかではなくて、
浅利慶太氏の力であり、俳優(劇団)の力なはずです。
そして現状、四季の俳優(劇団)は、日本国内で圧倒的ナンバーワンの地位にあるわけで。
つまり、いくら四季株式会社というハコが残っても、俳優(劇団)が
いなけりゃ何もならないわけで。どういう契約関係で縛っているかはわからないですが。
つまりつまり、浅利慶太という偉大な演出家がいなくなった後、
俳優(劇団)としての力、求心力、継続性を、保てるのかどうか。どう保つのか。
それを、海外のパートナーにどう理解してもらうのか。
形式的な株主どうこうではなく、とにかくそこが重要なわけですね。
今まで浅利慶太氏でまとまっていた俳優たちが、
引き続き何かに魅力を感じてまとまっていられるのか、
もう「四季」である意味はないと感じてバラバラになっていくのか。
いま四季は、そういう重大な存在意義を問われていると思うのです。
いかにカリスマ性が高い圧倒的な人も、人間である以上、いつかは死にます。
その後、その組織がカリスマなくして存続するかどうかは、
みんな(ステークホルダー)にとって幸せな組織をシステム的につくれるかどうか
だと思います。それができなければ、別の会社がとって代わるか、
もしくは演劇であれば、海外のような演目単位の興行方式に、
日本も移行するのかもしれません。
まあ、浅利慶太氏はまだ元気ですし、
「四季」というブランド名は相当強力ですし、
現実的に四季株式会社がもつライセンスがあるため、
まだ相当の期間、日本の演劇の興行体制が変わることはないのでしょうけれども、
そういった、とても本質的な話ということかと思います。