小さい頃、アリの巣穴に水を流し込んで遊んでいた。
考えてみれば残酷なことだ。
なんとなく、当時も、あれ、こんなことしていいのかな、
という感覚を持ったのを、おぼろげに覚えている。
でも、その行為で親や先生に怒られるわけではなく、
法律に反しているわけでもなさそうだからいいかと、
気にせず続けていた。
しかし、少年が感じていた罪悪感の芽は、
正しかったんだと思う。
タルムードの議論では、動物に優しくしろと書いてある。
ユダヤは肉食を禁じているわけではないが、
屠殺の方法について、詳細な規定がある。
その目的は、動物に苦しみを与えないことなのだ。
その教えを考えると、ありの巣に水を流し込むことや、
現代日本のペット問題は、とても罪深いことだと思う。
法律ではペットや動物は物扱いだから、あれは物だろう。
だからいじめてもいいし、どう扱っても構わない。
そういう、典型的な法・ルール音痴の日本人がまだ多いと思うが、
大事なことを大いに見失っているのだと思う。