個人情報って一体何なのでしょうか。
どうして保護する必要があるのでしょうか。
個人情報保護法には、いつも何かモヤモヤというか、
納得できないというか、疑問が多いです。
先日いわゆる合コンに行ったとき、
相手の女性のひとりが自己紹介のとき、
名前は名乗ったのですが、勤務先について、
個人情報だから、、、と、言うのを渋っていました。
そのときの私の正直な感想は、
この人は何を言ってるんだろう?
何をもったいぶってるんだろう?
勤務先が知られて、何の不利益があるのだろう?
相手を疑い、自分をオープンにする気がないなら、
どうしてこういう場に来たのだろう?どう人と関わるのだろう?
という、批判と嫌悪に満ちた感情でした。
一方、翌日の夜にロンドンハーツを観ていたら、
カズレーザーがあまりにも自分をオープンにする姿が映っていた。
初めて会うタクシードライバーに、自分の家族のことや、
年収や、嗜好のことや、全部しゃべっていた。
居酒屋でも個室をつかわず、一緒になった初対面の人とドンドン飲んでいた。
そして、お金を貸してくれという先輩に、
理由も聞かずにあっさりと貯金の9割ぐらい貸していいと言っていた。
衝撃的だった。
なんという清々しい、素晴らしい人なのかと思った。
合コンの件の女性はさておき、自分も、
彼に比べたら、なんて閉鎖的で陰険でケチな人間なんだろうと思った。
カズレーザーのように生きたいと思った。
彼はある種、理想的な人間だと思った。
でも、共演者や事務所のマネージャー達は、彼のオープン度合いを
非難しているところがあった。
理由は、世の中いい人ばかりじゃないから気をつけな、とか、
事務所としては報酬額とか、経営情報をあまり公表されると困る、
ということだった。
果たして、彼らの非難は、本当に正しいのだろうか。
彼が自らの情報をオープンにして、彼が晒される危機とは、
一体なんなのだろうか。多大なメリットもあるのではないだろうか。
住所と貯金額が知れて、人が彼の家に押し寄せたところで、
玄関に札束が積まれているわけでもあるまいし、
彼がお金のセキュリティをちゃんと管理していれば済む話なのではないだろうか。
クレジットカードを不正利用されたとして、決済情報をちゃんと確認して
自分に過失がなければ、金融機関だって対応してくれるだろう。
また、人が押し寄せて来て彼の身に危険があるという指摘も、
ちょっと違うと思う。人の恨みを買うようなことをするのが
悪いわけで、人が彼の元に集まることとは無関係だろう。
つまり、個人としては、包み隠さず自分をオープンにすることが、
自らの幸せにもっとも繋がることなんじゃないだろうか。
隠して良いことなんて、無いんじゃないだろうか。
過去の失敗を責められるというならば、そういう社会が良くないのではないか。
ただ、事務所の情報との関係では、ちょっとなやましいところはある。
彼の年収は、彼個人の情報であるとともに、事務所の機密情報でもある。
給与面以外でも、企業が必死に守ろうとしている情報はたくさんある。
自分達に不利な、スキャンダルみたいな情報から、
自分達に利益をもたらす、特許やM&Aみたいな企業秘密まで。
こういう企業情報は、リリースが求められているものは一部あるが、
基本的にはみんなひた隠し、特許のように隠すことを積極的に認められてるものもある。
現代資本主義で常識とされているその姿勢も、本当に正しいのだろうか?
特許なんていやらしい囲い方をしていないで、さっさとオープンにすれば、
社会はもっとより良くなったりしないだろうか?
M&Aの検討情報をさっさとオープンにしたら、早い段階からより良い情報が
集まったりしないだろうか?
すくなくとも、こういうことをもっと真剣にみんなで議論すべきではないだろうか。
ただ、ここまでオープン礼賛してきたけど、
そうでもないのかな、と思う事例もあと2つ書いておく。
今タリーズでこれを書いているのですが、
隣の席でバイトの面接をしている。
では自己紹介をしてください、と言われて、
学生の女の子は学校名や出身地、志望動機等、
戸惑いながら小さい声で全部しゃべってる。全部聞こえる。
なんか、これはこれでどうかとは思う。
あと、もっとどうかと思うのは、
病院やクリニックで、受付の人が患者に、
今日はどうしました?と、みんなの前で聞いていることだ。
全部聞こえる。若い女性なんか特に、聞かれたくないデリケートなこともあるだろう。
、、、なんだか、個人でも企業でも、情報の取り扱いの話は、
一筋縄ではいかなそうですね、、、。
でも、カズレーザーさんは本当に素晴らしいと思う。
見習いたい。