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もっちーのせかい

人生論 トルストイ

光あるあちうち光の中を歩め
が読みやすく、とても感銘を受けたので、
またトルストイを手にとってみた。
人生論。

多少回りくどくてわかりにくい、
訳が下手?だけど、
序章でいきなり目から鱗が落ちる。

水車を唯一の生業とする男の例が出てくる。水車の機械的仕組みに興味を持ち始め、水車の力の源をたどり、川に辿り着き、川の研究に没頭し、水車の調子が悪くなってしまう。
その男の論理を否定することは出来ない。しかし、問題は、考えるべきことの優先順位が間違っているということ、あまりに自分の日々の幸福とかけ離れたことを研究しているということ。もっと気にすべきは、粉の挽き具合であり、棒の先端の形であり、、なのだ。
これは、自分が幸せになるために、一体この社会の中で、自分はなんの仕事をすればいいのか、何が社会にとって正しいのか、人間にとって幸せとは何なのか、宇宙って何なのか、と考え過ぎてむしろ自分の幸せを見失うのと似ている。

そういう哲学にはまると、キリがない。まだまだ人間には、ましてや自分になぞ、解き明かせるわけがない。答えが出ないまま、何もできずに人生が終わる。
論理を追求するということは、そういう怖さがあるのではないか。
もっと気にすべきは、今の自分の気持ちや、体調や、身近な人のそれや、身近な仕事、うまく書けたかとか、ちゃんと相手に伝わったかとか、何をたべて、どこに出掛けたらいいかとか、そういうことなのかもしれない。

大体、論理を追求して、飽くなき成長を求めて、何が得られるのか。宇宙のすべてを解き明かせたとして、それが何なのか。それで幸せになるのか?生じた欲求が何でも瞬時に満たせるテクノロジーが出来上がったとして、それで幸せになるのか。食べたいものを食べたいだけ食べて、やりたいようにできたら、それこそ人間は狂う気がする。


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