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もっちーのせかい

ブッダの社会経済的教え

ワールポラ・ラーフラ氏が著した「ブッダが説いたこと」によると、
ブッダは人間の経済的、社会的なことに関する教えも説いていたようだ。
崇高な教えだけで、仙人のように霞を食べて生活することはできず、
必要な収入を得ることを大いに重視していたらしい。

「貧困は諸悪の根源」という項ではこう書かれている。
「・・貧困は不道徳、盗み、虚言、暴力、憎しみ、残虐行為といった犯罪の原因である、
・・昔の国王(政府)は犯罪を刑罰でもってなくそうとした。
長部経典には、いかにそれが無意味で、けっして成功しないかが説明されている。
ブッダはそれに代わって、犯罪を根絶するためには、人々の経済状況が改善されるべきだと
提案している。・・十分な収入が得られる機会が民衆に提供されれば、
人々は満足し、恐れや不安から解放され、その結果として国は平和で、犯罪はなくなる。」

自分がいつも感じていた疑問と同じことが書いてあって、驚き、大いに納得した。
刑罰は、たしかに犯罪を思いとどまらせるインセンティブになる。
しかし、刑罰では犯罪の根絶はできない。原因の根本解決にはなっていない。

では犯罪の根本原因は何か。
ブッダの上記考察は、ちょっと足りないと思う。
例えば現代日本では、みんな食べるのには十分な収入があるにもかかわらず、
犯罪は無くなっていない。つまり、貧困のみが犯罪の原因ではないのだ。

そもそも、動物は犯罪を犯すのだろうか。
盗みや殺しをするだろうか。あまり聞いたことがない。
盗もうと思っても動物は貯金をしているわけでもないから、盗むものがない。
仲間を憎んで殺すということもなさそうだ。

逆に人間は富を蓄えているから、盗みが起きる。
人間が人間を憎むから、殺人が起きる。
私は、その憎しみの原因も、根本は蓄財・アンフェアにある気がする。
飯が食えるのに憎悪が生まれるのは、他人をうらやむからだ。
でも、本当に機会が平等で、自分が努力していないから富が少ないのであれば、
心からそう納得できる状態であれば、憎悪は起きないと思う。
でも、そうではないから、アンフェアな社会だから憎悪が生まれる。そう思うのだ。
だから現代でも犯罪は無くなっていない。

結局、悲しい犯罪をなくすには、フェアな社会をつくって、
また必要以上の物質的な豊かさや富は、人生を豊かにはしないということを
みんなが理解すること、また、「赦し」をみんなが実践することだと思う。
どれもまだまだ全然日本人は理解していない。

特に最後の「赦し」は、日本人から一番遠い思想な気がする。
犯罪者への報復として厳罰を望み、死刑を求める。
被害者の気持ちとしてはわかるが、社会が、政府がその復讐心を擁護するのは、
方向性として間違っていると思う。
犯した罪以上の罰を科せられて刑務所に入った人間は、
さらに憎悪を増幅させて出所後に社会に負のエネルギーを放つだろう。
まったく逆効果。赦しの真逆を行く行為なのだ。
厳罰は犯罪抑止のインセンティブになるが、刑を受けた人間が「反省」したり「更生」
することは、そういうやり方で実現しないと思う。
「赦し」しかないと思う。

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