なんてこった。最後まで拮抗したけど、結局離脱派が勝利。
しかし本件は、世界に色んなことを教訓として与えてくれるのではないのだろうか。
まず、国民投票というシステムは、やっぱダメだろ、と思う。
冷静でしっかりした議論なんて全然できないし、
感情的で、お祭り的で、イベント的で、キャンペーン的になる。
何千万人、何億人という人間の塊って、そういうものなんだ。
動物的なんだ。
だから、そんな塊に重要な決断を多数決で、ある時点で、イエスかノーかで
問うということ自体が、クレイジーすぎるんだよやっぱり。
現実として。
本当は何事も、自由な経済活動の中で、自然な競争の中で、
最適な答えに収束していくのが一番いい。
でも、事案によってそれができないものがあるという主張もわかる。
でも、、、本当にそうか?
EUにとどまるか否か、という国としての決断は、国民に二者択一で
決めてもらうしかなかったのか?
今、どっちか、しか選択肢は無かったのか?
「こういう条約からは離脱するけど、こっちは現状維持」とか、
「このセクターにこういう保障をするから、全体としてはメリットがある残留を選ぼう」とか、
「移民に対してこういう政策をとる」とか。
まあ、政治的にそれができなかったからこういう投票になったんだろうが、、、。
キャメロン首相は勝算があって国民投票を約束したのだろうか。
それともその場しのぎで公約してしまったのだろうか。
本当に勝利を確信していたというなら、考えが浅かったと言わざるを得ないだろうな。
その場しのぎだったとすれば、頭数で決まる政治というシロモノで、
EU加盟という状況が多数の国民にとって歓迎的でなかったってことだ。
EU全体として、イギリス全体として、国境という垣根を低くして、
人・モノ・金の移動をスムースにして、取引を活性化させ、
プライシングを適正化すれば、全体としての経済活動は最大化する(GDPが最大になる)
というのは、私の感覚では正しいと思う。
だとすると、離脱は全体としては馬鹿げている。
ではなぜ離脱になるのか。
配分の問題である。
全体として100が120になったとしても、
分け前が10人×10だったのが、
6人×8=48と、4人×18=72になったら、
6人が嫌がって、全員で多数決とったら10×10に戻り、
全体としてパイが縮小する結果になる。
そういう話だろう。
まあ実際はそんなに皆損してるはずはないと思うから、
感情論なんだろう。一時的な。
実際、近年EUが急拡大して比較的貧しい東欧諸国を取り入れ、
EU全体としての平準化が急速に進んでいたとするならば、
EUの高水準の方は、一時的に割を食うことになる。
EU全体としては経済的にアップするし、長い目で見れば良いことだとも思うのだが。
短期的には失敗する。ってことになる。
今回の問題はとっても複雑で難しくて一概に言えないことがたくさんあるのは
もちろん分かっているけれども、今思えるのはやはり、つまり、
・国民投票って機能しないよね
・EUってとても良いものだけど舵取りが難しいよね
ってことかな。
どちらもガバナンスとか、やり方の問題。
やはり21世紀、国とか政治とかのあり方を、
そろそろ根本的に見直す時代になってきているのではないでしょうか。
何をどのように?
今から一緒に考えましょう。
議論しましょう。