これからの日本人に必要なもの。
いままで日本に足りなかったもの。
それは、宗教と芸術だと思う。
高度成長して物質的に豊かになり、寿命も延び、
もうそういう幸せは飽和している。
そういう意味での仕事はもうほとんど無いのだ。
みんなの課題は「ヒマ」なのだ。
衣食住に困らない生活を目指して頑張ってきて、
でもそれが満たされて暇になってみても、やっぱり辛い。
なんと皮肉なことなのか。
やっぱり禁断の実を食べた人間はどうやっても苦しいらしい。
本質的にヒマな中で、今の日本人がしていることは何か。
あえて一般化すれば、無駄にストイックになっている人と、
思考停止しておかしなものにおぼれている人と、
両極端なパターンがあると思う。
前者は、スポーツ選手とか典型だし、起業して成功したい人とか、
(もう必要な商品やサービスなんて大して無いのに)
大企業で無駄にバリバリやって、いまだに出世と年収アップと
女性とたくさん遊ぶこととたくさん酒を飲めることが「良い」と思っている人とか、
そういう人々。
後者は、頑張ることは無駄だと感じていて頑張らないけど、
何も考えていないから、お酒とか、競馬とか、パチンコとか、
ゲームとか、ネットとか、風俗とか、キャバとか、薬とか、タバコとか、
そういうロクでもないものにはまってしまう人々。
どちらも間違っている。
幸せになれない気がする。
必要でない仕事を無駄にストイックにするのは間違っている。
結果が出ないわけだから、相当苦しい。
そしてその苦しさを、性欲や、酒や、タバコで解消しようとしても、出来ていないと思う。
衣食住が満たされた本質的なヒマを、酒や、タバコや、女や、ギャンブルや、
ゲームやネットで埋めようとするのも、間違ってると思う。
そんなもので人生の時間を埋めたら、狂うにきまっている。
全然幸せじゃない。
いかに衣食住に満たされて安定していたとしても、
毎日10時間パチンコ台に向かって終わった人生を、
幸せだと思える人なんているのだろうか。
上記は本質的にそれと同じだ。
つまり、日本人はストイックとタチの悪い遊びが多すぎるのだ。
経済が飽和するまではそれでよかったのかもしれない。
でもこれからは、それではおかしくなる。
必要なのは、心を本当に満たしてくれる、カタルシスをもたらす芸術や、
宗教の祈りだと思う。
最近みんなジョギングとか、サイクリングとか、運動や、
登山やキャンプとか、自然に親しむことを始めてきている。
それは良いことだと思う。
それは、本質的な幸せに通じることだと思う。
でも、それだけでは足りないだろう。
質の良い演劇や、音楽や、絵画や、文学等の芸術が要る。
正しい祈りが要る。
質の良い演劇とは、タレントやスターを追っかけるアイドル舞台ではなくて、
ちゃんとカタルシスを得られるドラマだ。
質の良い音楽とは、若い女の子が半分尻を出して踊るポップスではなくて、
ちゃんと心に響く振動だ。
質の良い絵画とは、写真みたいな絵やブランドで高額な絵ではなくて、
心に訴えかけるものがある印象だ。
正しい祈りとは、神様にあれがほしい、これがほしいと、ねだるのではなくて、
心の平穏に資するものだ。
これからの日本に必要な、ヒマを満たすエンタメとは、
そういった正しい芸術と祈りだ。
お酒や風俗やゲームやタバコでは、決してない。