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もっちーのせかい

ゴルフ

いわゆる「保守」「右」と言われる産経の記事。

故城山三郎さんは、40歳からゴルフを始めた。不眠症の治療のために、医師から勧められたという。ゴルフは健康を取り戻してくれただけではなく、交友関係を広げてくれた。作家として人間観察の場でもあった。
中曽根康弘元首相は、クラブを薙刀(なぎなた)のように大振りする。ボールはあらぬ方向に飛ぶものの、フェアウエーに戻すのがうまい。城山さんは「難局に強いゴルフ」と呼んでいた。前の組が詰まり待たされると、落ちている松ぼっくりを打って練習を始めるのが、宮沢喜一元首相である(『ゴルフの時間』)。スコットランドの俚諺(りげん)にもある。「ゴルフと賭け事、この2つだけは絶対に人間性が隠せない」
訪米中の安倍晋三首相とトランプ米大統領が、首脳会談の後に行うゴルフについて、批判がある。国際的に反発の声が高まるトランプ氏と親しくなりすぎるのは、危険だというのだ。気にすることはない。世界の指導者の中で最初に、謎と矛盾に満ちた米大統領の人柄を確かめる機会を得たのだ。逃すのはあまりにももったいない。
オバマ前大統領もゴルフ好きだった。安倍首相は2013年の訪米時、土産としてゴルフのパターを持参した。会談で披露したのが、首相の祖父、岸信介元首相が昭和32年に訪米した際、アイゼンハワー元大統領とゴルフをしたエピソードである。
プレーの後、ともにシャワーも浴びた元首相の印象について、アイゼンハワー氏はこう語っている。「大統領ともなると、嫌なヤツとも笑いながら話をしなければならない。ところがゴルフは、好ましく思う相手でないと一緒にやれないものだ」
結局、安倍首相とオバマ氏とのゴルフは実現しなかった。馬が合う相手とはいえなかったようだ。

この記事について、世の人はどう感じるのだろうか。
以前の私は、「保守」の人たちの考え方を、全否定していた。
でも、それはよくない。全てが、100%、間違っているなど、あり得ない。
大体は正しいことを言っているのだ。歴史の中で、良いライフスタイルを研鑽してきた
結果なのだから。でも、全面的に正しいわけでもないはずだ。
特に今のような時代には。テクノロジー、グローバル、経済の飽和状態では。
それで、是々非々で、具体的に、どこがどう良いのか、悪いのか、
ちゃんと考えて、議論しないといけないな、そう思って、
とりあえず保守の人の意見を頑張ってフラットに吟味してみたいのである。

世のおじさんたちは、記事をみて、
「ふむなるほどな。やはりゴルフは人を理解するのに有用だし、
仲を深めてビジネスをうまく進めるのにも有効だな。」
と感じるのだろうか。
また、世の若者たちは、記事をみて、いや、そもそも読まないのかもしれないが、
「出たよ、ゴルフ論。古いんだよ。ゴルフなんかしてないで
ちゃんと仕事してよ。」
と感じるのだろうか。

ゴルフは、心身にいい影響を与える運動だと思う。基本的に。
大自然の中で、そこそこの運動を半日するわけだ。それは気持ちがいいものだ。
これはあまり疑問の余地はない。

ゴルフで出る人間性って、何だろうか。
スイングがよわよわしいと、よわよわしい人間なんだろうか。
スコアをちゃんとつけてないと、いい加減な人間なんだろうか。
プレーの前後を含めて、行動の端々から人間性を読み取れるというなら、
別にゴルフでなくとも、何だっていいはずだ。
テニスだって、お茶だって、散歩だって、会議だって。
つまり、人間性をはかるためにゴルフをするというのは、
ちょっと怪しい言い訳な気がする。

アイゼンハワーが、ゴルフは好ましくない相手とはできないものだと言ったらしいが、
その真偽は定かではないし、安倍首相とオバマ前大統領が一緒にゴルフをしなかったのは
馬が合わなかったからという理由にするのは、論理が飛躍している。
他に理由があっただけかもしれない。

ここまででの考察から、やはり産経さんの論理はちょっとおかしいというか、
偏った思い込みの強いものだと思う。
産経の発行部数が比較的少ないのがその思想への賛否を反映しているとすれば、
日本人は真っ当な感覚をもっているということになるのかな。

そもそも、ゴルフというあそびへの批判もあるだろう。
自然を破壊する、とか。
そしてけっこうお金がかかる。
車がないとやはり厳しいし、ガソリン代とプレー代と色々入れたら
1回でどうしても1万円は軽く超えるだろう。
多くの若者や庶民は経済的にできないあそびなのだ。
日本人でさえ。

個人的には、いくら世界の大会で優勝した日本人の高校生がすごくても、
まあ金持ちだからできるんだよ、競技人口も少ないよ、と思ってしまう。
貧乏な南米のスラム街から、サッカーひとつでのし上がってきた若者の方が、
ずっと尊敬してしまう。
まあこれはシュミの問題かもしれないが。

そして、そういうお金持ちのお遊びであるゴルフを、
仕事や公務に取り入れるのは、フェアなのかという観点がある。
官民でゴルフしたらまず問題だろう。
それはなぜか。
それは、ゴルフを一緒にして仲良くなって、
それで指名業者やなんかを決めると言うのは、アンフェアだからだ。
ゴルフができない業者だっているし、コストとか、品質とか、
もっと論理的に決めてほしいということだ。
それは、官官や民民でも、本質的には、同じことなんじゃないのだろうか。
旧来のセクターではそういう仕事の取り方が現実的に多いし有効だとしてもね。
それはわかってますし、イリーガルではないけども、理想的にはという意味でね。

というわけで、産経のこの記事は、ちょっとアンフェア。

まあでも、ゴルフはたしかに交友関係を広められるし、
きもちいいんだけどね、適切にやれば。





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